作家ソームは出版社からの依頼で、18世紀の神秘思想家エズマンド・ドナリイの取材をはじめた。手がかりの少ない人物だったが、子孫に会い、遺された極めて猥褻な文書を読み進むうち、彼が性行為を崇める異端宗派〈不死鳥教団〉と密接な関係があることをつきとめるが。『賢者の石』の著者の手になる、入手困難だった逸品を再刊。訳者あとがき=大瀧啓裕
大瀧啓裕
(オオタキケイスケ )1952年、大阪市生まれ。著書に『魔法の本箱』『エヴァンゲリオンの夢』、訳書にラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』、ラッセル『悪魔の系譜』、スミス『ゾティーク幻妖怪異譚』『ヒュペルボレオス極北神怪譚』『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』、オブライエン『金剛石のレンズ』、ウィルスン〈始末屋ジャック〉シリーズ他多数。