三つ星シェフ、ポール・ルノワールが猟銃自殺を遂げた。世界最優秀シェフに選出されたばかりだった彼がなぜ? ネットフリックスの番組製作のために取材を受けていたさなかに……。
伝説的な料理人だった祖母のいた時代から三つ星シェフに上りつめた現在までの彼の人生と、華やかなフランス料理界の裏側。
料理人たちの野心、苦悩、嫉妬、愛、孤独、闘い、そしてガイドブックの星の重圧……。ポール・ボキューズもアラン・デュカスも登場する、元『ミシュランガイド』編集部員にしか書けない傑作美食小説!
カゼス文学賞、海辺の文学賞受賞作。
*カゼス文学賞は、ヘミングウェイ、アンドレ・ジッド、アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、ポンピドゥー大統領などが通ったサン=ジェルマン=デ=プレのブラッスリー・リップが創設した文学賞。海辺の文学賞はサーブル・ドロンヌ市と「フィガロ・マガジン」が主催の文学賞。
ゴーティエ・バティステッラ
1976年、フランス、トゥールーズ生まれ。パリ政治学院で政治学、ストラスブール大学でジャーナリズムを学ぶ。北京の新華社通信で働いた後、アジア各地をめぐり、その後ミシュランガイドの編集部員として働き、小説家に転身した。本書は3作目。デビュー作はケベック=フランス・マリ=クレール=ブレ新人賞受賞。
田中裕子
(タナカユウコ )フランス語翻訳家。訳書にコラン・ニエル『悪なき殺人』、アンヌ・ベレスト『ポストカード』、フィリップ・トワナール編『グラン・ミシュラン〜ミシュラン調査員のことば〜』、オーレリア・ボーポミエ『魔法使いたちの料理帳』、ジャン=バティスト・マレ『トマト缶の黒い真実』など。