オレノメヲウッタオトコハシンダ

おれの眼を撃った男は死んだ

  【単行本版】

シャネル・ベンツ
高山真由美


おれの眼を撃った男は死んだ

ジャンル
一般文芸 > 短編集

判型:四六判上製
ページ数:312ページ
初版:2020年5月22日

ISBN:978-4-488-01103-1
Cコード:C0097


装幀:山田英春


内容紹介

南北戦争で親を亡くした少女は自分を虐待するおじ一家から兄の手によって助け出されたが、さらに残酷な外の世界を知る(「よくある西部の物語」)。
難民キャンプに児童養護施設を建てようとしていた女性は、大虐殺の混乱のなか傭兵に誘拐されて消えた(「外交官の娘」)。
裸足のまま列車に乗りこんだ少年は、服役中の父親と暴力をふるう継父の間でもがいている(「ジェイムズ三世」)。

西部劇の舞台のような町、黒人奴隷が鞭打たれるプランテーション、現代アメリカの壊れた家庭、砂に埋もれたユートピア、16世紀イギリスの修道院……。暴力と欲望に満ちたさまざまな時代と場所で、夢も希望もなく、血まみれで生きる人々。人間の本質を暴き出し、一瞬の美しさを切り取った、O・ヘンリー賞受賞作「よくある西部の物語」ほか全10編収録のデビュー短編集! 訳者あとがき=高山真由美


目次

「よくある西部の物語」
「アデラ」
「思いがけない出来事」
「外交官の娘」
「オリンダ・トマスの人生における非凡な出来事の奇妙な記録」
「ジェイムズ三世」
「蜻蛉(スネーク・ドクターズ)」
「死を悼む人々」
「認識」
「われらはみなおなじ囲いのなかの羊、あるいは、何世紀ものうち最も腐敗した世界(オ ・セキュラム・コラプティシマム)」



シャネル・ベンツ

カリブ海東部のアンティグア・バーブーダにルーツを持つ作家。現在はシラキュース大学で教鞭をとる。2014年、短編「よくある西部の物語」でO・ヘンリー賞を受賞。同作収録の本書はデビュー短編集であり、〈サンフランシスコ・クロニクル〉の2017年ベスト・ブックの一冊、同年の〈エレクトリック・リテラチャー〉の最優秀短編集15の一冊などに選ばれた。その他の著作に長編The Gone Dead(2019)がある。