火星入植地で暴徒から救った少女。彼女がもたらす無限の恐怖と官能を描き、H・P・ラヴクラフトの称賛を受けた破格のデビュー作「シャンブロウ」ほか、異次元の裂け目から襲い来る単眼の妖女との死闘(「ジュリ」)や、見る者によって全く異なる美貌を見せる異星の魔女との遭遇(「イヴァラ」)などを描いた、宇宙の無法者ノースウェスト・スミスが活躍する13編を収める。新訳決定版。
中村融
(ナカムラトオル )1960年愛知県生まれ。中央大学卒業。SF・ファンタジイ翻訳家、研究家、アンソロジスト。主な訳書に、ウェルズ『宇宙戦争』『モロー博士の島』、ブラッドベリ『万華鏡』ほか多数。創元SF文庫での編著に『影が行く』『地球の静止する日』『時の娘』『時を生きる種族』『黒い破壊者』がある。
市田泉
(イチダイヅミ )1966年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。英米文学翻訳家。訳書にジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』、キャロル『薪の結婚』、サマター『図書館島』、ジョイス『人生の真実』、ヴクサヴィッチ『月の部屋で会いましょう』(岸本佐知子と共訳)他多数。