故郷を失った地球人類は銀河共同体の末席に加わり、弱小ながら繁栄を享受していた。超光速航行用の“トンネル”建設作業船〈ウェイフェアラー〉に突如舞い込んだ、「銀河系中心部への新航路開拓」という大仕事。かくして多種族混成クルーの長く賑やかな航海が始まる……。個人出版からヒューゴー賞受賞シリーズになった傑作スペースオペラ!
ベッキー・チェンバーズ
1985年生まれ。宇宙開発に携わる家族のもとで育ち、ビデオゲームや非電源系ゲーム、養蜂や天体観測を趣味にして育つ。現在は妻とともにカリフォルニアに住む。2015年のデビュー長編『銀河核へ』(創元SF文庫)は、クラウドファンディングで執筆資金を集めて個人出版したものが人気を博し、大手出版社から刊行され直したというユニークな履歴を持つ。同書に始まる《ウェイフェアラー》シリーズは、2019年ヒューゴー賞シリーズ部門を受賞した。「緑のロボットへの賛歌」(2021)はヒューゴー賞とユートピア賞のノヴェラ部門を、「はにかみ屋の樹冠(じゅかん)への祈り」(2022)はローカス賞ノヴェラ部門を、それぞれ受賞した。
細美遙子
(ホソミヨウコ )高知大学人文学部文学科卒業。英米文学翻訳家。訳書に、ラッキー『魔法の誓約』『魔法の代償』、チェンバーズ『銀河核へ』、リュウ『母の記憶に』(幹遙子名義、共訳)など多数。