戦火はいよいよアソエクの星系に及ぶ。無人のはずの隣接星系に潜む謎の艦、圧倒的な力を持つ不可解な異星種族プレスジャー、そして分裂したラドチの絶対的支配者――立ちはだかる数多の難題を前に、ブレクは決意を胸に秘めて戦いつづける。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞など驚異の全世界12冠を達成し、本格宇宙SFの歴史を塗り替えた《叛逆航路》三部作、堂々完結! ブレクの過去の一端も明らかになる、前日譚の短編も特別収録。
アン・レッキー
1966年オハイオ州生まれ。ワシントン大学で音楽の学位を取得。2005年にクラリオン・ウェスト・ワークショップを卒業したのち作家デビュー。2013年の『叛逆航路』でヒューゴー賞、ネビュラ賞、クラーク賞など主要SF文学賞を総ざらいし、デビュー長編としてウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』やパオロ・バチガルピ『ねじまき少女』を超える史上初の英米7冠を達成。日本でも2016年の星雲賞を受賞した。続編『亡霊星域』はローカス賞・英国SF協会賞ダブル受賞、三部作完結編となる『星群艦隊』はローカス賞を受賞するなど、全世界でシリーズ累計13冠に輝いている。
赤尾秀子
(アカオヒデコ )津田塾大学数学科卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、レッキー《叛逆航路》シリーズ、ハインライン『天翔る少女』、マキャフリー『だれも猫には気づかない』、マキャフリー&ラッキー『旅立つ船』、ヴィンジ『レインボーズ・エンド』ほか多数。