【ヒューゴー賞・ネビュラ賞・英国幻想文学大賞受賞】
本を心の底から愛したならば、本もあなたを愛してくれる――学校にも家庭にも居場所がない少女モリは、大好きな小説や魔法の秘密を心の支えとして辛い日々をやり過ごす。やがて町の読書クラブに誘われた彼女は、そこで初めて共通の話題を持つ仲間と出会う。しかし母親の執拗な悪意は、彼女を苦しめつづけ……。孤高の少女の青春を静かな筆致で描き、本を愛し本に救われた経験を持つ多くの読者の共感を呼んだ、感動の物語。解説=堺三保
ジョー・ウォルトン
1964年英国ウェールズ生まれ。カナダ在住のSF・ファンタジー作家。2002年にジョン・W・キャンベル新人賞を受賞。ファンタジイ長編『ドラゴンがいっぱい!』(ハヤカワ文庫FT)で04年度世界幻想文学大賞を受賞。06-08年の歴史改変小説《ファージング》三部作(創元推理文庫)では、第二部『暗殺のハムレット』が08年のプロメテウス賞を受賞し、10年に邦訳された際には日本のSFファン・ミステリファン双方より絶賛を浴びた。
茂木健
(モギタケシ )1959年生まれ、翻訳家。訳書にウィルスン《時間封鎖》三部作、ティドハー『完璧な夏の日』、ウォルトン『図書室の魔法』《ファージング》三部作ほか多数。著書に『バラッドの世界』『フィドルの本』。