南アフリカから届いた天体観測結果は、全世界に驚愕の事実をもたらした。その動向が注目された放浪惑星は、日ごと地球に迫りつつあり、衝突はもはや時間の問題とされる。残された期間は、わずか二年。世界有数の科学者ヘンドロン博士は、きたる“審判の日”に備え、地球脱出を図ろうと、極秘裡に宇宙船建造計画を進めていた……。ジョージ・パルの映画で知られる破滅SFの傑作。解説=金子隆一
*映画『地球さいごの日』(1951年/ジョージ・パル制作、ルドルフ・マテ監督)原作
フィリップ・ワイリー
1902 年、マサチューセッツ州生まれ。30年に処女長編『闘士』(ハヤカワ文庫SF)を刊行、同書はスーパーマンの実質的原作と語られている。本書『地球最後の日』は51年にジョージ・パルにより映画化された。他の邦訳作品に『勝利』(ハヤカワSFシリーズ)などがある。1971年歿。
エドウィン・バーマー
1883年生まれ。大衆誌〈レッド・ブック〉の編集者としても知られた。1959年歿。
佐藤龍雄
(サトウタツオ )1954年生まれ。幻想文学翻訳家。主な訳書に、ワイリー&バーマー『地球最後の日』、ディック『あなたをつくります』『未来医師』、シュート『渚にて』ほか多数。