判型:文庫判
ページ数:600ページ
初版:2007年1月31日
ISBN:978-4-488-63721-7
Cコード:C0197
文庫コード:SF-ハ-6-21
装画:鶴田謙二
装幀:岩郷重力
●高千穂遥氏推薦――「清く、正しく、かっこよく。スペース・オペラの基本は、キャプテン・フューチャーから学んだ。これを読まずに、スペース・オペラを語ることはできない。」
シリーズ長編の終了から4年後、アメリカ本国でキャプテン・フューチャーは短編シリーズとして復活した。ロボットのグラッグがなんと精神衰弱になり、冥王星衛星の自動採掘機たちが作業停止した事件の解決に、転地療養をかねて単身送り込まれた――著名な表題作等全7編に加え、原雑誌に掲載されていた掌編サイド・ストーリー17編を一挙収録。巻末には詳細な著作リストを付した(伊藤民雄作成)。解説=伊藤民雄
「キャプテン・フューチャーの帰還」
「太陽の子供たち」
「衛星タイタンの〈歌い鳥〉」
「鉄の神経お許しを」
「忘れじの月」
「もう地球人では……」
「〈物質生成の場〉の秘密」
*
「キャプテン・フューチャーとその仲間たち」(掌編サイド・ストーリー集)
エドモンド・ハミルトン
1904年、オハイオ州生まれ。父親は漫画家、母親は元教師。秀才の誉れ高く10歳で高校へ入学、14歳でウエストミンスター・カレッジに入学し物理学を専攻するが、文学にかぶれて中退。鉄道職員の仕事の傍ら、愛読していたA・メリットやエドガー・ライス・バローズの影響を受けた小説を書きはじめる。1926年、〈ウィアード・テールズ〉誌より「マムルスの邪神」でデビュー。恒星系や銀河をたびたび危機に陥れることから“世界の破壊者(ワールド・レッカー)”の異名をとる。代表作は〈スター・キング〉2部作、〈キャプテン・フューチャー〉〈スターウルフ〉シリーズ、『虚空の遺産』『時果つるところ』など。1977年歿。夫人は、やはり著名なSF作家のリイ・ブラケット。
野田昌宏
(ノダマサヒロ )1933年福岡県生まれ。学習院大学政治経済学部卒。SF作家・翻訳家・研究家・宇宙開発評論家として活躍。主な著書に『SF英雄群像』『レモン月夜の宇宙船』《銀河乞食軍団》他多数、訳書にハミルトン《キャプテン・フューチャー》《スターウルフ》、ジョーンズ《ジェイムスン教授》、チャンドラー《銀河辺境》などのシリーズほか多数。『「科學小説」神髄』で第16回日本SF大賞特別賞を受賞。2008年6月6日歿。没後、その功績をたたえ、星雲賞特別賞、日本SF大賞特別賞が贈られた。