【国際幻想文学賞受賞】
地球には三万年も前から火星人たちが暮らしていた。人間たちの社会に入りこみ、いつか人類が精神的に成熟し、彼らと「合同」できる日がくるまで監視を続けているのだ。彼らは自らを〈オブザーバー〉と呼んだ。だがこうした理想主義に反し、彼らの中には地球人を目の敵にし、絶滅を望む者たちがいた。愛惜に満ちた国際幻想文学賞受賞作。解説=牧眞司/訳者あとがき=中村保男
中村保男
(ナカムラヤスオ )1931年生まれ。東京大学文学部英文学科卒業。英米文学翻訳家。翻訳研究・翻訳技術に関する著書も多数ある。2008年12月9日歿。