6つの太陽が空を巡る惑星。昼間だけの世界で、人々は闇というものを知らずに文明を謳歌してきた。だが若き天文学者が思いもよらぬ事実を察知する。この星に2000年に1度の夜がくる。誰も体験したことのない、恐るべき闇夜が。教団が勃興し、ジャーナリストが嘲笑するなか、刻々とその時はせまる! 巨匠のベスト1短編が、盟友との共作で長編化。
アイザック・アシモフ
アメリカの作家。1920年、ロシアに生まれ、3歳で家族とアメリカに移住しニューヨークで育った。35年、15歳の若さでコロンビア大学へ入学。39年、SF専門誌に短編が掲載され作家デビュー。40年代の“SF黄金時代”の立役者の一人となり、50年、自身が考案した〈ロボット工学の三原則〉に基づく連作短編集『わたしはロボット』で一躍脚光を浴びた。SFの代表作に、壮大な未来叙事詩《銀河帝国の興亡》シリーズ、またミステリの代表作に、安楽椅子探偵物として名高い《黒後家蜘蛛の会》シリーズがある。一般向け科学解説書をはじめ、ノンフィクションも数多く発表した。92年没。
ロバート・シルヴァーバーグ
Robert Silverberg
1935年、ニューヨーク州生まれ。10歳よりSFを愛読し、翌年には自らファンジンを発行、また54年、コロンビア大学在学中に短編が〈ネビュラ〉誌に掲載され作家デビューする。55年、20歳で第一長編となるジュヴナイルSFを上梓、56年にはヒューゴー賞新人部門を受賞した。以後の膨大な執筆量で“小説工場”の異名をとる。60年代後半よりシリアスな作品を発表しはじめ、以降“ニュー・シルヴァーバーグ”と呼ばれる。代表作に星雲賞受賞作『時間線をのぼろう』、ヒューゴー賞受賞作『夜の翼』、ネビュラ賞受賞作『禁じられた惑星』、ローカス賞受賞作『ヴァレンタイン卿の城』などがある。科学ノンフィクションも多数発表している。
小野田和子
(オノダカズコ )1951年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。訳書に、アシモフ『夜来たる[長編版]』、クラーク『イルカの島』、ジェミシン『第五の季節』『オベリスクの門』、ウィアー『火星の人』他多数。