20世紀英国を代表する怪奇小説の三巨匠としてマッケンの他に平井が名を挙げたのが、優れた古典の素養と洗練された話術で人気を博したM・R・ジェイムズ、緻密(ちみつ)な描写で純粋な恐怖を顕現せしめるアルジャーノン・ブラックウッドだ。両者の魅力が横溢(おういつ)する短篇群とコッパード「シルヴァ・サアカス」、ホフマン「古城物語」に加え、ハーンの怪奇文学講義、多彩なエッセーを併録する。
〈T〉M・R・ジェイムズ集
「消えた心臓 」
「マグナス伯爵」
〈U〉アルジャーノン・ブラックウッド集
「人形」
「部屋の主」
「猫町」
「片袖」
「約束」
「迷いの谷」
〈V〉初期翻訳
A・E・コッパード「シルヴァ・サアカス」
E・T・A・ホフマン「古城物語」
〈W〉ラフカディオ・ハーンの怪奇文学講義
「モンク・ルイス」と恐怖怪奇派
小説における超自然の価値
〈付録〉エッセー