判型:文庫判
ページ数:390ページ
初版:1988年1月22日
ISBN:978-4-488-53403-5
Cコード:C0197
文庫コード:F-ヒ-1-3
装画:浅野信二
装幀:柳川貴代+Fragment
己を知るべく、タイタスは生まれて初めてゴーメンガースト城を出た。見るもの聞くものすべてが驚くべき外の世界。しかもそこに住まう誰ひとりとして、城の存在を知る者はなかった。自負も誇りも打ち砕かれ、捕らえられ投獄され、しかもめぐり逢った女の愛も退け、彷徨をつづける彼がついに見出したのは? 目眩く幻想の大伽藍、空前絶後のアダルト・ファンタジイ三部作完結!
マーヴィン・ピーク
1911年、父親が伝道のために渡っていた中国で生まれた。国籍はイギリス。1923年にイギリスに戻って後、美術学校で油絵とデッサンを学ぶ。1939年には絵本 Captain Slaughterboard Drops Anchor を出版。その後ルイス・キャロルの『スナーク狩り』をはじめとする数多くの幻想怪奇小説の挿絵を描いた。第二次世界大戦後、徐々に健康を悪化させたピークは、〈ゴーメンガースト〉三部作の執筆に精力を傾注。四作目のための覚書を残して1968年、病死した。
浅羽莢子
(アサバサヤコ )1953年生まれ。英米文学翻訳家。東京大学文学部卒。主な訳書にセイヤーズ『学寮祭の夜』、チャーチル『ゴミと罰』、マクラウド『納骨堂の奥に』、キャロル『死者の書』、ピーク『ゴーメンガースト』など多数。2006年歿。