判型:文庫判
ページ数:658ページ
初版:1985年4月19日
ISBN:978-4-488-53401-1
Cコード:C0197
文庫コード:F-ヒ-1-1
装画:浅野信二
装幀:柳川貴代+Fragment
●田中芳樹氏推薦――「奇怪で異様でしかも魅惑にみちている」
いつとは知れぬ時の、いずことも知れぬ地に城はあった。その名も、ゴーメンガースト。無数の部屋を擁し、そこにどれほどの人間が棲んでいるのかすら定かではない石の迷宮。これが世界の総てであった。そして今、城を治めるグローン伯爵家に七十七代当主が呱々の声をあげた。菫色の瞳のこの男子は、名をタイタスという……。比類なき世紀の叙事詩〈ゴーメンガースト〉三部作開幕!
マーヴィン・ピーク
1911年、父親が伝道のために渡っていた中国で生まれた。国籍はイギリス。1923年にイギリスに戻って後、美術学校で油絵とデッサンを学ぶ。1939年には絵本 Captain Slaughterboard Drops Anchor を出版。その後ルイス・キャロルの『スナーク狩り』をはじめとする数多くの幻想怪奇小説の挿絵を描いた。第二次世界大戦後、徐々に健康を悪化させたピークは、〈ゴーメンガースト〉三部作の執筆に精力を傾注。四作目のための覚書を残して1968年、病死した。
浅羽莢子
(アサバサヤコ )1953年生まれ。英米文学翻訳家。東京大学文学部卒。主な訳書にセイヤーズ『学寮祭の夜』、チャーチル『ゴミと罰』、マクラウド『納骨堂の奥に』、キャロル『死者の書』、ピーク『ゴーメンガースト』など多数。2006年歿。