才能もなく人づきあいも苦手な皇帝の末娘アルスルは、いつも皆にがっかりされていた。ある日舞踏会に出席していたアルスルの目前で父が暗殺され、彼女は皇帝殺しの容疑で捕まってしまう。帝都の裁判で死刑を宣告され一族の所領に護送された彼女は美しき人外の城主リサシーブと出会う。優れた能力をもつ獣、人外が跋扈(ばつこ)する世界を舞台に、変わり者の少女の成長を描くファンタジイ。
鈴森琴
(スズモリコト )東京都出身。玉川大学文学部卒業。2018年の第3回創元ファンタジイ新人賞に佳作入選した『忘却城の界人(さかいびと)』を、2019年『忘却城』と改題してデビュー。他の著書に『忘却城 鬼帝女(きていによ)の涙』『忘却城 炎龍の宝玉』『皇女アルスルと角の王』『騎士団長アルスルと翼の王』がある。