もしも小説の登場人物に会い、その物語を変えられたら……。シャーロック・ホームズ、ドラキュラ伯爵などが暮らす図書館で起きた大事件を描き、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短編賞を受賞した表題作ほか、同図書館で語り継がれるホームズの逸話、『失われたものたちの本』の世界から贈る短編、次々と怪現象を起こす奇書にまつわる中編の四編収録。本と物語がテーマの作品集! 訳者あとがき=田内志文/解説=牧眞司
「キャクストン私設図書館 」
「虚(うつ)ろな王(『失われたものたちの本』の世界から)」
「裂かれた地図書 ──五つの断片」
「ホームズの活躍:キャクストン私設図書館での出来事」
ジョン・コナリー
1968年アイルランド生まれ。犯罪小説、ホラー、ファンタジーなどを執筆。ダブリン大学およびダブリンシティ大学で学んだ後、フリーのジャーナリストとして活動。1999年のデビュー作『死せるものすべてに』はシェイマス賞を受賞したほか、ブラム・ストーカー賞とバリー賞にノミネートされた。2007年に『失われたものたちの本』で全米図書館協会アレックス賞を、2014年に本書収録の短編「キャクストン私設図書館」でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞とアンソニー賞の最優秀短編賞を受賞した。2023年には『失われたものたちの本』の17年ぶりの続編となる『失われたものたちの国』を発表し話題となる。
田内志文
(タウチシモン )文筆家、スヌーカー選手。コナリー『失われたものたちの本』『失われたものたちの国』、ジャクソン『10の奇妙な話』、スティーヴンソン『新訳 ジキル博士とハイド氏』、オーウェル『1984』など訳書多数。