シェトランド署のサンディ刑事は、帰省したウォルセイ島で、祖母ミマの遺体の第一発見者となってしまう。ウサギを狙った銃に誤射されたように見えるその死に、漠然とした疑惑を抱いた上司のペレス警部はサンディとふたりで、彼の親族や近くで遺跡を発掘中の学生らに接触し、事情を探ることに……濃密な人間関係を有する小さな島で起きた死亡事件の真相は? 現代英国ミステリの珠玉〈シェトランド四重奏〉第三章。解説=三橋曉
*第4位『2012本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング
アン・クリーヴス
作家。1954年英西部ヘレフォード生まれ。1986年 A BIRD IN THE HAND でデビュー。2002年、「運転代行人」がCWA最優秀短編賞の候補になる。2006年、『大鴉の啼く冬』でCWA最優秀長編賞を受賞。
玉木亨
(タマキトオル )1962年東京都生まれ。慶應大学経済学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書にクリーヴス『大鴉の啼く冬』『白夜に惑う夏』、ケリー『水時計』、サンソム『蔵書まるごと消失事件』、マン『フランクを始末するには』などがある。