2000年の長きにわたる人生の大半を、悪魔と超自然現象の探求についやす謎の男、サイモン・アーク。彼の行く先々で、怪奇な謎が死者を生む。カスパー・ハウザーの伝説に酷似した雪原の死、ロシアとアメリカで相次ぐ宇宙飛行士怪死事件、インド洋の島に跳梁する吸血鬼の影、ファラオの墓から発掘された喇叭が招いた死……いずれ劣らぬ難事件に、オカルト探偵が卓越した推理力で挑む8編を収録した、珠玉の第2短編集。解説=木村仁良
*第6位『2012本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング
「過去のない男」
「真鍮の街」
「宇宙からの復讐者」
「マラバールの禿鷲」
「百羽の鳥を飼う家」
「吸血鬼に向かない血」
「墓場荒らしの悪鬼」
「死を招く喇叭」
エドワード・D・ホック
アメリカの作家。1930年ニューヨーク州生まれ。1955年、雑誌にサイモン・アークもの第1作となる短編「死者の村」が掲載されデビュー。以降50年以上にわたり、短編ミステリの第一人者として活躍し続けた。サイモン・アーク、怪盗ニック・ヴェルヴェット、レオポルド警部やサム・ホーソーン医師など、多種多彩なキャラクターを起用して謎解きの醍醐味を満喫させる作風は本国でも高く評価され、2001年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)生涯功労賞を受賞したほか、数々の栄誉に輝いている。2008年没。