●綾辻行人氏推薦――「1970年代前半。無神国家アルバニアと聖地エルサレム。その時代・その場所の特異性を存分に生かして創られた特異なるキメラ、である。かつてあの『エクソシスト』で世界を震撼させた作家ならではの、野心的かつ刺激的な問題作。」
1973年、宗教弾圧と鎖国政策下の無神国家アルバニアで、正体不明の人物が勾留された。男は苛烈な拷問に屈することなく、驚くべき能力で官憲を出し抜き行方を晦ました。翌年、聖地エルサレムの医師メイヨーと警官メラルの周辺で、不審な事件や〈奇跡〉が続けて起きる。謎が謎を呼び事態が錯綜する中で浮かび上がる異形の真相とは。『エクソシスト』の鬼才による入魂の傑作ミステリ! 解説=夏来健次 推薦=綾辻行人
ウィリアム・ピーター・ブラッティ
1928年、ニューヨーク生まれ。作家、脚本家、映画監督。71年に出版した、メリーランド悪魔憑依事件をもとにした小説『エクソシスト』がベストセラーとなる。同書を原作とした73年公開の映画に際しては脚本を担当。80年公開の映画『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』でも脚本を担当、監督を務め、ゴールデングローブ賞脚本賞を受賞した。他の著作に『ディミター』、LEGION、CRAZYなどがある。2017年没。
白石朗
(シライシロウ )1959年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。訳書にディック「ジョーンズの世界」、キング「11/22/63」「アンダー・ザ・ドーム」、ブラッティ「ディミター」、グリシャム「ペリカン文書」「アソシエイト」、ヒル「ホーンズ 角」など多数。