
![]()
新米弁護士のライネンは、ある殺人犯の国選弁護人になった。だが、被害者がライネンの亡くなった親友の祖父だったと判明する。知らずに引き受けたとはいえ、少年時代の恩人を殺した男を弁護しなければならない──。苦悩するライネンと、被害者遺族側の辣腕弁護士が法廷で繰り広げる緊迫の攻防戦。そこで明かされる事件の驚くべき背景とは。刑事事件弁護士が描く圧巻の法廷劇! 解説=瀧井朝世
フェルディナント・フォン・シーラッハ
1964年ドイツ、ミュンヘン生まれ。ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫。1994年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍する。デビュー作である『犯罪』(2009)が本国でクライスト賞、日本で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞した。その他の著書に『罪悪』(2010)、『コリーニ事件』(2011)、『カールの降誕祭(クリスマス)』(2012)、『禁忌』(2013)、『テロ』(2015)、『刑罰』(2018)、『珈琲と煙草』(2019)、『神』(2020)、『午後』(2022)などがある。
http://www.schirach.de/
酒寄進一
(サカヨリシンイチ )ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書として、2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に選ばれたシーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞を受賞したコルドン〈ベルリン三部作〉、ノイハウス〈刑事オリヴァー&ピア・シリーズ〉、カシュニッツ『その昔、N市では──カシュニッツ短編傑作選』、ホフマン『牡猫ムルの人生観』、ラーベ『17の鍵』、ヘッセ『デーミアン』『シッダールタ』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』などがある。


















