●米澤穂信氏推薦――「結婚? 考えてません。『七人のおば』を読んだら怖くって」
●北村薫氏推薦――「着想と方式の幸福な結婚、その典型的な例こそが、この『七人のおば』である。」
結婚し渡英したサリーの許へ届いた友人の手紙で、おばが夫を毒殺して自殺したことを知らされた。が、彼女にはおばが7人いるのに、肝心の名前が書いてなかった。サリーと夫のピーターは、おばたちと暮らした7年間を回想しながら、はたしてどのおばなのか、見当をつけようと試みる。1作ごとに趣向を凝らすマガーの代表作!
パット・マガー
アメリカの作家。1917年生、1985年歿。編集職をへて、1946年、『被害者を捜せ!』を発表。弱冠29歳でものしたこの長編は、犯人でなく被害者を捜すという斬新な趣向が大反響を呼んだ。以後も工夫を凝らした作品を次々著したが、鮮やかな人物造型といい、ドラマティックな展開といい、秀れて現代的なミステリ作法の持ち主だったといえる。代表作に『四人の女』や『七人のおば』などがある。
大村美根子
(オオムラミネコ )1947年札幌市生まれ。東京女子大学英米文学科中退。シオドア・スタージョン『時間のかかる彫刻』、ジョン・ディクスン・カー『ヴァンパイアの塔』(共訳)、パット・マガー『七人のおば』、レックス・スタウト『シーザーの埋葬』など訳書多数。2005年1月歿。