判型:文庫判
ページ数:418ページ
初版:2012年6月29日
ISBN:978-4-488-15312-0
Cコード:C0197
文庫コード:M-ロ-3-11
装画:朝倉めぐみ
装幀:矢島高光
リディアを誘拐した――晩秋の朝、私立探偵ビルは突然の電話でそう告げられる。相棒の命を救うため、彼は正体不明の犯人に指示されるまま、手がかりを求めニューヨークじゅうを奔走する。与えられた猶予はわずか十二時間。犯人により殺人事件の容疑者に仕立てあげられたビルは、警察と売春組織に追われながらも、頼れる仲間の力を借りて、リディアの居場所を突き止めようとする。シリーズ史上最も緊迫した展開の連続で送る第十作。解説=三橋曉
S・J・ローザン
1950年ニューヨーク生まれ。様々な職業を経て、90年頃から書き始めたミステリで、ふたりの私立探偵、中国系女性のリディア・チンと白人男性のビル・スミスを生み出し、94年に発表した『チャイナタウン』を第一作とする長編や多くの中短編で活躍させている。『ピアノ・ソナタ』『天を映す早瀬』でシェイマス賞、『どこよりも冷たいところ』でアンソニー賞、『冬そして夜』でMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長編賞を、「ペテン師ディランシー」でMWA最優秀短編賞を受賞するなど、現代を代表する私立探偵小説の書き手として高く評価されている。
直良和美
(ナオラカズミ )東京生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。英米文学翻訳家。主な訳書、ローザン「チャイナタウン」「ピアノ・ソナタ」、フレムリン「泣き声は聞こえない」、デ・ジョバンニ「集結」、テイ「ロウソクのために一シリングを」など。