一夜のうちに発生した三人の変死事件。不可解な事態の真相が鮮やかに明かされる「三人の死体」。奇妙な味わいが忘れがたい「鉄のパイナップル」。不思議な能力を持つ孤独な教師の体験を描く表題作。そして〈クイーンの定員〉に選ばれた幻の「フライング・スコッツマン号での冒険」など、『赤毛のレドメイン家』で名高い巨匠の傑作六編を収める、いずれも初訳・新訳の短編集! 解説=戸川安宣
「孔雀屋敷」
「ステパン・トロフィミッチ」
「初めての殺人事件」
「三人の死体」
「鉄のパイナップル」
「フライング・スコッツマン号での冒険」
イーデン・フィルポッツ
1862年インド生まれ。イギリス本国で教育をうけ、事務員などを経て文筆の道に入る。数多くの推理小説、田園小説、戯曲、詩作を発表。わけても『赤毛のレドメイン家』は、江戸川乱歩がその読書体験を「万華鏡」に譬えて絶賛し、探偵小説ベスト10の第1位に選ばれたことで名高い傑作である。その他の作品に『闇からの声』、『溺死人』など。1960年没。