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医師のノートンは、海岸の遊歩道で見かけた美貌の娘に、一瞬にして心を奪われた。その名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”。ノートンは、踏みだしかけていた成功への道から外れることを決意し、燃えあがる恋の炎に身を投じる。それが数奇な物語の始まりとは知るよしもなく。『赤毛のレドメイン家』と並び、著者の代表作と称されるも、長らく入手困難だった傑作が新訳でよみがえる! 解説=戸川安宣
*第2位『IN★POCKET』「2015年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」作家部門
*第7位『IN★POCKET』「2015年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」読者部門
イーデン・フィルポッツ
1862年インド生まれ。イギリス本国で教育をうけ、事務員などを経て文筆の道に入る。数多くの推理小説、田園小説、戯曲、詩作を発表。わけても『赤毛のレドメイン家』は、江戸川乱歩がその読書体験を「万華鏡」に譬えて絶賛し、探偵小説ベスト10の第1位に選ばれたことで名高い傑作である。その他の作品に『闇からの声』、『溺死人』など。1960年没。