ミステリ史上最大にして最高の名探偵シャーロック・ホームズの推理と活躍を、ワトスンが綴るシリーズ第1短編集。ホームズの緻密な計画がひとりの女性によって破られる「ボヘミアの醜聞」、赤毛の男を求める奇妙な団体の意図が鮮やかに解明される「赤毛組合」、閉ざされた部屋での怪死事件に秘められたおそるべき真相「まだらの紐」など、いずれも忘れ難き12の名品を収録する。
*第4位『IN★POCKET』2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/読者部門
「ボヘミアの醜聞」
「赤毛組合」
「花婿の正体」
「ボスコム谷の惨劇」
「五つのオレンジの種」
「くちびるのねじれた男」
「青い柘榴石」
「まだらの紐」
「技師の親指」
「独身の貴族」
「緑柱石の宝冠」
「ぶなの木屋敷の怪」*「ぶな」は木へんに無
アーサー・コナン・ドイル
1859年イギリス生まれ。開業医をしていたがはかばかしくなく、生活のために筆をとり、1887年発表の『緋色の研究』で名探偵シャーロック・ホームズを創造。1891年から〈ストランド・マガジン〉に連載したホームズが登場する短編で圧倒的な人気を集め、一躍作家的地位を確立した。また、チャレンジャー教授の活躍する『失われた世界』等のSF、『勇将ジェラールの回想』等の歴史小説にもすぐれた作品を残し、それぞれの分野の古典として今なお愛読されている。1930年没。
深町眞理子
(フカマチマリコ )1931年生まれ。1951年、都立忍岡高校卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、ドイル《シャーロック・ホームズ》シリーズ、ギャスケル《アトランの女王》全3巻、オールディス『グレイベアド』、エラリー・クイーン編『ミニ・ミステリ傑作選』など多数。