太平洋戦争後、北と南に分断された日本は、武蔵野新都心を経済と文化の中心に据え、再スタートを切っていた。七ツ森神子都は相棒・風野颯平と保護者・藤間秀秋に見守られ女子高生として平穏な毎日を送っているが、夏のある日、『地下世界研究会』に依頼が舞い込む。東創女子大学の地下劇場「13シアター」内で転落事故が多発しており、その原因を調べて欲しいというのだ。依頼主は四人の女子学生による演劇サークル「ビッチ・バッコス」。しかし調査の最中、幽霊の仕業としか思えない不可能な状況で四人の中の一人が犠牲者に――。神子都は難攻不落の劇場密室に挑む!
長沢樹
(ナガサワイツキ )新潟県生まれ。2011年、『消失グラデーション』で第31回横溝正史ミステリ大賞を受賞してデビュー。13年、『夏服パースペクティヴ』で第13回本格ミステリ大賞候補。テレビ番組制作に携わる傍ら小説を執筆している。近年は『ダークナンバー』『イン・ザ・ダスト』『月夜に溺れる』『アンリバーシブル 警視庁監察特捜班 堂安誠人』など警察小説の書き手としても活躍。他の著書に『龍探 特命探偵事務所ドラゴン・リサーチ』『クラックアウト』などがある。