かつて繁栄を誇ったコンスル帝国の最北西に位置する霧岬。そんな霧岬の村に住むデイスは、捨てられていたところを拾われ、両親と姉に慈しまれて育った。ある日ゴルツ山に登ったデイスは、土の中に半分埋まった肩留めを拾う。金の透かし彫りに、〈太陽の石〉。これは自分に属するものだ、一目でデイスは悟った。だが、それが眠れる魔道師を目覚めさせることになるとは……。『夜の写本師』『魔道師の月』で話題沸騰の著者の第三長編。解説=金原瑞人
乾石智子
(イヌイシトモコ )山形県生まれ。山形大学卒業。山形県在住。1999年教育総研ファンタジー大賞受賞。スターウルフで目を覚まし、コナン・ザ・バーバリアンから最初の一歩を助けてもらった。著作に『夜の写本師』『魔道師の月』『太陽の石』『オーリエラントの魔道師たち』『紐結びの魔道師』『沈黙の書』『イスランの白琥珀(こはく)』『久遠の島』『闇の虹水晶』『滅びの鐘』などがある。