ええ、はい。あの事件のことでしょ? えっ? どうしてわかるのかって? そりゃあ、わかりますよ。だってあの事件が起きてからの一年間、訪ねてくる人来る人みんな同じことを訊くんですから……。数多のエピソードを通して浮かび上がる、人間たちの愚行のカタログ。痛烈にして哀切、『慟哭』の作者が放つ新たなる傑作!
*2006年 第135回直木賞候補作
*2006年7月1日 TBS系「王様のブランチ」で紹介
貫井徳郎
(ヌクイトクロウ )1968年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年に『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞を、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞。『光と影の誘惑』『プリズム』『愚行録』『ミハスの落日』『明日の空』『新月譚』『ドミノ倒し』『私に似た人』『邯鄲の島遥かなり』『紙の梟 ハーシュソサエティ』など著作多数。