第二次世界大戦のさなか、連合国輸送船団の改装タンカーがUボートの急襲をうけ沈められた。だが船内は当面生存可能な条件が保たれており、閉じこめられた男女5人は生き延びるための闘いをはじめる。一方、はるか恒星間宇宙をゆく異星人の大移民船団があった。冷凍睡眠のもと新天地を目指す彼らだが、計画の根幹を揺るがす事実が判明する。交互に語られる、二つの生存(サバイバル)の物語。訳者あとがき=伊藤典夫
ジェイムズ・ホワイト
1928年、英国北アイルランド生まれ。20歳の頃からファンジンを発行し、53年、SF専門誌〈ニュー・ワールズ〉に短編が掲載されデビュー。57年から長編SFを発表しはじめた。代表作に「宇宙病院」をはじめとする《セクター・ジェネラル》シリーズがある。99年没。
伊藤典夫
(イトウノリオ )1942年、静岡県浜松市生まれ。英米文学翻訳家。主な訳書にクラーク『2001年宇宙の旅』、オールディス『地球の長い午後』、ブラッドベリ『華氏451度』、カート・ヴォネガット・ジュニア『猫のゆりかご』、ディレイニー『ノヴァ』ほか多数。