虚空を突き進む恒星間移民船内で起こった惨劇。手がかりとなる記憶も記録もすべて消され、しかも次に死んだら二度と復活できない。自分自身が犯人かもしれない極限状況で、乗組員たちは対立しつつもギリギリの協力を強いられる。やがて明らかになる6人の過去――それはクローン医学と記憶移植を用いた生命延長技術を巡る、数百年に及ぶ人間とクローンの対立の歴史でもあった……。彼らは真相を解き明かすことができるのか?
ムア・ラファティ
1973年米国生まれ。2013年ジョン・W・キャンベル新人賞を受賞。『六つの航跡』でヒューゴー賞、ネビュラ賞長編部門の候補となる。『魔物のためのニューヨーク案内』から始まるファンタジーシリーズも人気を博している。また、複数のポッドキャスト番組でも活躍しており、商業作家向けのポッドキャストDitch Diggersで2018年ヒューゴー賞ファンキャスト部門を受賞した。
茂木健
(モギタケシ )1959年生まれ、翻訳家。訳書にウィルスン《時間封鎖》三部作、ティドハー『完璧な夏の日』、ウォルトン『図書室の魔法』《ファージング》三部作ほか多数。著書に『バラッドの世界』『フィドルの本』。