飛行船が行き交い、甲冑型の蒸気機械が闊歩する港町ラピッド・シティ。ゴールドラッシュに沸くこの町で、カレンは高級娼館で働いている。そこへある晩、少女プリヤが逃げこんできた。プリヤに一目ぼれしたカレンは彼女を守ろうとするが、立ちはだかるのは怪しげな機械を操る町の有力者。さらには娼婦を狙う連続殺人鬼の影も……。カレンは蒸気駆動の甲冑機械を身にまとって立ち向かう! ヒューゴー賞作家が放つ傑作冒険SF。訳者あとがき=赤尾秀子
エリザベス・ベア
1971年コネチカット州生まれ。2005年のデビュー長編『HAMMERED─女戦士の帰還』に始まる三部作《サイボーグ士官ジェニー・ケイシー》シリーズで、ローカス賞第一長編部門とジョン・W・キャンベル新人賞を受賞。以後も短編「受け継ぐ者」(2007)でヒューゴー賞短編部門とシオドア・スタージョン記念賞を、中編「ショゴス開花」(2008)でヒューゴー賞中編部門を受賞するなど、精力的に執筆している。
赤尾秀子
(アカオヒデコ )津田塾大学数学科卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、レッキー《叛逆航路》シリーズ、ハインライン『天翔る少女』、マキャフリー『だれも猫には気づかない』、マキャフリー&ラッキー『旅立つ船』、ヴィンジ『レインボーズ・エンド』ほか多数。