旧文明の崩壊から数百年。多くの人々は地上を厭い、巨大な地下都市国家に暮らしていた。その一つ、ヴィクトリア朝風の階級社会が栄えるリコレッタでは、旧文明の知識は重大なタブーである。そんな中「プロメテウス」なる極秘計画に関わる歴史学者が殺された。女性捜査官マローンの活動は、なぜか上層部から妨害を受ける。そして貴族社会の裏側に出入りする洗濯娘ジェーンも、謎の男アルノーと出会って事件に巻き込まれてゆく……。
キャリー・パテル
テキサス州ヒューストン生まれ。スペインのグラナダやアルゼンチンのブエノスアイレスに留学し、テキサスA&M大学で修士号を取得。2015年のデビュー作『墓標都市』に始まる長編三部作のほか、いくつかの短編を発表している新鋭作家。現在は、Fallout: New Vegasなどの作品で知られるゲーム開発会社Obsidian Entertainmentに在籍し、昼はナラティブ・デザイナー(手がけた作品にPillars of Eternityなど)、夜は小説執筆という生活を送っている。
細美遙子
(ホソミヨウコ )高知大学人文学部文学科卒業。英米文学翻訳家。訳書に、ラッキー『魔法の誓約』『魔法の代償』、チェンバーズ『銀河核へ』、リュウ『母の記憶に』(幹遙子名義、共訳)など多数。