近未来のロンドンで、裏社会の仕事を請け負う“ラットランナー”たち。そのひとりとして過去を隠して生きる少年ニモは、殺された科学者から謎のケースを託される。どうやら、犯罪組織がその中身を激しく争奪しているらしい。潜入とブラフの名手ニモ、変装の達人マニキンと天才ハッカーFXの姉弟、科学分析に精通する少女スコープ──街の裏側を知りつくす4人は犯罪組織や政府の監視網を巧みにすり抜け、ケースの秘密を追う! 訳者あとがき=中原尚哉
オシーン・マッギャン
1973年、アイルランド・ダブリン生まれの作家兼イラストレーター。アートディレクター、コピーライターなどを経て2003年に作家デビュー。長編 The Gods and Their Machines(2004)でビスト・チルドレンズ・ブック・オブ・ザ・イヤー賞優秀賞を受賞したほかローカス賞第一長編部門ファイナリストになるなど、高く評価されている。著書はフランスでも翻訳され、現在は複数のシリーズを抱える人気作家である。
中原尚哉
(ナカハラナオヤ )1964年生まれ。東京都立大学人文学部英米文学科卒。訳書にヴィンジ『遠き神々の炎』『星の涯の空』ほか多数。2021年、ウェルズ『マーダーボット・ダイアリー』で第7回日本翻訳大賞を受賞。