いつの日にか人類は、生まれ育った地球をあとにして、宇宙の深淵へ旅立ってゆく。そのとき彼らが目撃するものは──。SFは1世紀以上にわたって、そこに待ち受けるであろう、想像を超えた驚異をさまざまに物語ってきた。その精華たる9編を収録。舞台となるのは、太陽系外縁部の宇宙空間、人類が初めて出会う種属の惑星、あるいは文明の滅び去った世界。本邦初訳作2編を含む。編者あとがき=中村融
フレッド・セイバーヘーゲン「故郷への長い道」(中村融訳)
マリオン・ジマー・ブラッドリー「風の民(たみ)」(安野玲訳)
コリン・キャップ「タズー惑星の地下鉄」(中村融訳)
デイヴィッド・I・マッスン「地獄の口」(中村融訳)
マーガレット・セント・クレア「鉄壁(てっぺき)の砦(とりで)」(安野玲訳)
ハリー・ハリスン「異星の十字架」(浅倉久志訳)
ゴードン・R・ディクスン「ジャン・デュプレ」(中村融訳)
キース・ローマー「総花的解決」(酒井昭伸訳)
ジェイムズ・ブリッシュ「表面張力」(中村融訳)
中村融
(ナカムラトオル )1960年生まれ。中央大学法学部卒、英米文学翻訳家。編著に「影が行く」「時の娘」「星、はるか遠く」、主な訳書にウェルズ「宇宙戦争」、ウィンダム「トリフィド時代」、ブラッドベリ「万華鏡」「何かが道をやってくる」ほか多数。