火星全土に吹き荒れる独立の嵐により、地球の治安部隊は撤退し、軌道エレヴェーターの上端に追いやられる。一滴の血も流すことなく、革命は成功するかに思われた。だが、交渉中、過激な一分派が宇宙エレヴェーターへの攻撃を開始した……。『レッド・マーズ』『グリーン・マーズ』に続き、壮大な火星入植計画をリアルに描きつくしてSF史に金字塔を打ち立てた火星三部作の完結編、ついに邦訳! ヒューゴー賞、ローカス賞受賞作。
キム・スタンリー・ロビンスン
1952年アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。84年『荒れた岸辺』で長編デビューし、ローカス賞を受賞。92年から『レッド・マーズ』に始まる〈火星三部作〉を発表し、ヒューゴー賞・ネビュラ賞など複数の賞を受賞。2014年時点でヒューゴー賞2回、ネビュラ賞3回、ローカス賞6回のほか、世界幻想文学大賞、ジョン・W・キャンベル記念賞、英国SF協会賞、星雲賞など多数の主要SF賞を受賞している。現代アメリカを代表するSF作家の一人である。