リドリー・スコット製作、ネットフリックスで映画化決定!
21世紀初頭、アメリカ合衆国は崩壊し砂漠と化した。1世紀が過ぎたある日、蒸気船でイギリスを出港した小規模な探険隊が、ニューヨークに上陸する。密航者の青年は、自分がこの国の新しい支配者、第45代大統領となることを夢見るが……。残存者のいる諸都市を探訪し、アメリカの夢と悪夢の残滓と邂逅した探険隊の記録を通じて、予言者バラードが辛辣に描き出す、強烈な未来像! 訳者あとがき=南山宏
(『22世紀のコロンブス』を改題・文庫化)
J・G・バラード
英国を代表する作家。1930年、上海生まれ。「人間が探求しなければならないのは、外宇宙(アウター・スペース)ではなく、内宇宙(インナー・スペース)だ」として、SFの新しい波(ニュー・ウェーブ)運動の先頭に立った。終末世界を独自の筆致で美しく描き出した〈破滅三部作〉と呼ばれる『沈んだ世界』『燃える世界』『結晶世界』や、濃縮小説(コンデンスト・ノベル)と自ら名づけた手法で書き上げた短編を発表し、その思弁性が多くの読者を魅了した。『太陽の帝国』はスピルバーグ監督、『クラッシュ』はクローネンバーグ監督、『ハイ・ライズ』はベン・ウィートリー監督によって映画化された。他の著作に《J・G・バラード短編全集》全5巻、『殺す』『コカイン・ナイト』『人生の奇跡J・G・バラード自伝』など。2009年没。
南山宏
(ミナミヤマヒロシ )1936年東京生まれ。翻訳家、超常現象研究家。早川書房在籍時は本名の森優名義で〈SFマガジン〉第2代編集長をつとめた。主な訳書に、クラーク『宇宙のランデヴー』、ナイト他『月は誰が創ったか?』など多数。