アンドリアは目を疑った。心を裂かれる思いで五百年前の世界に残してきた最愛の人ピーアがなぜ目の前に? プロジェクトは中止になり〈タイムトンネル〉は閉鎖されたはず。いぶかしむ彼女にかつての上司が、もう一度働かないかともちかけてきた。愛しいピーアに会える。アンドリアの胸は高鳴るが、それは新たな悲劇の幕開けだった。ガーディアン賞受賞の傑作ロマンティック・タイムトラベル・ファンタジー『500年のトンネル』続編! 訳者あとがき=中村浩美
金原瑞人
(カネハラミズヒト )1954年生まれ。翻訳家・法政大学教授。訳書にディレイニー『魔使いの弟子』、『魔使いの呪い』『魔使いの秘密』、ブロック〈ウィーツィ・バット・ブックス〉全5巻プライス『500年のトンネル』(以上東京創元社)、ストラウド『バーティミアス』(理論社)、クラッチャー『アイアンマン』(ポプラ社)、ローズ『ティモレオン』(中央公論文庫)、シアラー『青空のむこう』(求龍堂)、アランハフト『ラスト・ドッグ』(ほるぷ出版)、ウェストール『ブラッカムの爆撃機』(岩波書店)など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』(牧野出版)、編著書に『12歳からの読書案内』などがある。