図書館を定年退職したばかりのわたしに届いた、不思議な猫についてのメール。なぜか人の言葉をしゃべるその猫は、死ぬたびに生き返る数奇な半生を送ってきたそうで──。本を愛する不死の猫と、その周囲で起こる不可解な事件。好奇心をくすぐられ、調査を始めたわたしを待ち受ける意外な展開とは? 元・図書館司書と謎めいた猫が織りなす、ブラックで奇妙で、なのに心躍る物語。
リン・トラス
イギリス生まれの作家、コラムニスト、ジャーナリスト。BBCラジオのパーソナリティも務めている。数多くの小説やノンフィクションを発表。2003年に刊行した句読記号(パンクチュエーション)の誤用についてのユーモアあふれる文法書『パンクなパンダのパンクチュエーション』は、イギリスとアメリカでそれぞれ100万部を超す大ベストセラーとなった。小説作品には、The Lunar Cats(2017)、A Shot In The Dark(2018)などがある。
玉木亨
(タマキトオル )1962年東京都生まれ。慶應大学経済学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書にクリーヴス『大鴉の啼く冬』『白夜に惑う夏』、ケリー『水時計』、サンソム『蔵書まるごと消失事件』、マン『フランクを始末するには』などがある。