推理小説ファンが最後に犯罪実話に落ちつくように、怪奇小説愛好家も結局は、怪奇実話に落ちつくのが常道である。なぜなら、ここには、なまの恐怖と戦慄があるからだ──伝説の〈世界恐怖小説全集〉最終巻のために、英米怪奇小説翻訳の巨匠・平井呈一が編訳した幻の名アンソロジー『屍衣の花嫁』が60年の時を経て再臨。怪異を愛する古き佳き大英帝国の気風が横溢する怪談集。
I
「インヴェラレイの竪琴(たてごと)弾き」
「鉄の檻の中の男」
「グレイミスの秘密」
「ヒントン・アンプナーの幽霊」
「エプワース牧師館の怪」
「ある幽霊屋敷の記録」
II
「死神」
「首のない女」
「死の谷」
「女好きな幽霊」
「若い女優の死」
「画室の怪」
「魔のテーブル」
「貸家の怪」
「石切場の怪物」
「呪われたルドルフ」
「屍衣の花嫁」
「舵を北西に」
「鏡中影」
「夜汽車の女」
「浮標(ブイ)」
III
「ベル・ウィッチ事件」