「『ピックマンのモデル』だ」蒐集家のキースが骨董屋で入手した絵を見るなり、友人が叫んだ。絵の片隅に署名がある。R・アプトン・ピックマン。ラヴクラフトの小説に登場する人物の名前だ。だがそれは、現実に存在していたのだ。とすると、彼の小説は事実ということに……そのころ、南太平洋の一郭で大いなるクトゥルーが蠢動を始めていた!
大瀧啓裕
(オオタキケイスケ )1952年、大阪市生まれ。著書に『魔法の本箱』『エヴァンゲリオンの夢』、訳書にラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』、ラッセル『悪魔の系譜』、スミス『ゾティーク幻妖怪異譚』『ヒュペルボレオス極北神怪譚』『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』、オブライエン『金剛石のレンズ』、ウィルスン〈始末屋ジャック〉シリーズ他多数。