北国カーランディア。建国以来、土着の民カーランド人と征服民アアランド人が、平穏に暮らしてきた。だが現王のカーランド人大虐殺で、見せかけの平和は消え去った。娘夫婦を殺された大魔法使いが平和の象徴の鐘を打ち砕き、闇を解き放ったのだ。封じることができるのは、古の〈魔が歌〉のみ。著者が長年温めてきたテーマを圧倒的なスケールで描いた、日本ファンタジイの金字塔。
乾石智子
(イヌイシトモコ )山形県生まれ。山形大学卒業。山形県在住。1999年教育総研ファンタジー大賞受賞。スターウルフで目を覚まし、コナン・ザ・バーバリアンから最初の一歩を助けてもらった。著作に『夜の写本師』『魔道師の月』『太陽の石』『オーリエラントの魔道師たち』『紐結びの魔道師』『沈黙の書』『イスランの白琥珀(こはく)』『久遠の島』『闇の虹水晶』『滅びの鐘』などがある。