イシヌの女王が逝去した。秘術〈万骨(ばんこつ)ノ術(じゅつ)〉の書の在処(ありか)を次期当主アラーニャと、双子の姉ラクスミィに言い残して。この機会をカラマーハ帝家が見逃すはずはなく、ほどなく帝軍出陣の知らせと、アラーニャに皇帝のもとに嫁すようにとの要求が届く。婚姻によって治水の権限を奪おうというのだ。危機を前にラクスミィは重大な決断を……。魔法と策略と陰謀渦巻く『水使いの森』続編。解説=三村美衣
庵野ゆき
(アンノユキ )徳島県生まれのフォトグラファーと、愛知県生まれの医師の共同ペンネーム。2019年『水使いの森』(応募時のタイトルは『門のある島』)で第4回創元ファンタジイ新人賞優秀賞を受賞。