人里はなれたところにある〈ザ・ローレルズ〉で、わたしは回想する──大企業の社長マイナの秘書として活躍した日々を。長らくわたしは、私生活を犠牲にしてまで完璧に彼女に仕えてきた。そして、強い信頼で結ばれたふたりの関係がずっと続くと思っていた──オフィスに警察がやってくるまでは……。予測不能の展開に、じわじわとにじみ出る怖さ。俊英が放つ、傑作サスペンス! 解説=若林踏
ルネ・ナイト
英国BBCで美術ドキュメンタリー番組のディレクターを担当したのち、著作活動に転向。テレビ番組や映画の台本を手がける。2013年4月、大手出版社の小説創作コースを卒業。在籍中に執筆を始めた『夏の沈黙』の出版権をめぐって、熾烈なオークション合戦が勃発した。2016年には短編Mother’s Dayを発表。ロンドンに夫と二人の子供と暮らす。
古賀弥生
(コガヤヨイ )東京女子大学文理学部英米文学科卒。ブラッドリー『パイは小さな秘密を運ぶ』『人形遣いと絞首台』『水晶玉は嘘をつく?』、ナイト『夏の沈黙』、マカルパイン『青鉛筆の女』など訳書多数。