*第12回翻訳ミステリー大賞受賞作
ヴェネツィア人の医学徒、父の汚名を雪(そそ)ごうと逸(はや)る学生、暗号解読の達人の幾何学(きかがく)教授、そして歴史学者の四人が綴る、1663年のオックスフォード大学で勃発した毒殺事件。相矛盾する記述、あえて隠された事実、そしてそれぞれの真実。四つの手記が織りなす謎の物語は、やがて予想外の結末へ──。四部構成の稀代の歴史ミステリを、四人の最高の翻訳家が手掛ける、驚異の傑作が登場!訳者あとがき=宮脇孝雄
*第12回翻訳ミステリー大賞受賞作
*第2位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい!2021年版 海外篇
*第3位『このミステリーがすごい! 2021年版』海外編
*第4位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 海外部門
*第6位『2021本格ミステリ・ベスト10』海外篇
イーアン・ペアーズ
1955年、英国コヴェントリー生まれ。オックスフォード大学ウォダム・カレッジに学ぶ。美術史家やジャーナリストとして活躍。ロイター通信の特派員時代はイタリアやフランスで勤務した。著作に『ラファエロ真贋事件』、The Dream of Scipio、The Portrait、Stone's Fall、Arcadiaなどがある。
池央耿
(イケヒロアキ )1940年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、ドン・ペンドルトン「マフィアへの挑戦」シリーズ、アシモフ「黒後家蜘蛛の会」1〜5、ニーヴン&パーネル「神の目の小さな塵」、ホーガン「星を継ぐもの」ほか多数。2023年没。
東江一紀
(アガリエカズキ )1951年生まれ。北海道大学卒。ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ』、フィリップ・カー『砕かれた夜』、ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』、マイケル・ルイス『世紀の空売り』など訳書多数。著書に『ねみみにみみず』がある。2014年逝去。
宮脇孝雄
(ミヤワキタカオ )1954年生まれ。早稲田大学卒。ヘレン・マクロイ『ひとりで歩く女』、ジョン・ダニング『死の蔵書』、グラディス・ミッチェル『ソルトマーシュの殺人』など訳書多数。著書に『洋書天国へようこそ』『英和翻訳基本辞典』などがある。
日暮雅通
(ヒグラシマサミチ )1954年生まれ。青山学院大学卒。日本推理作家協会、日本文藝家協会会員。ヴァン・ダイン『僧正殺人事件』、ドイル『新訳シャーロック・ホームズ全集』など訳書多数。著書『シャーロック・ホームズ・バイブル』で日本推理作家協会賞を受賞。