解体され、内臓を抜かれた死体……解体屋事件と呼ばれる連続殺人事件の犯人は人形遣いと名乗る人間だった。遺体の声を聞くという独特なプロファイリング手法で数々の事件を解決してきた分析官は、死体から何を聞き出すのか?
ライナー・レフラー
1961年、ドイツ、バーデン・ヴュルテンベルク州生まれ。50歳で本書を発表するまでスーパーやガソリンスタンドの店長、機械工などの仕事を転々とした。仕事の傍ら、1985年から87年まで、ドイツ版「MAD」誌に寄稿し、98年からはライナー・ハンチュクのペンネームで世界最長のSF小説シリーズとして知られる〈宇宙英雄ローダン〉シリーズのファンによる二次作品や、同シリーズから派生した〈アトラン〉シリーズの書き手のひとりとして健筆をふるったこともある。
酒寄進一
(サカヨリシンイチ )ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書として、2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位に選ばれたシーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞を受賞したコルドン〈ベルリン三部作〉、ヘッセ『デーミアン』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』、ケストナー『終戦日記一九四五』、ノイハウス『友情よここで終われ』、ザルテン『バンビ――森に生きる』などがある。