ケンブリッジを震撼させた連続殺人は過去のこと。わが子アリーや召使いのマンスールたちと平穏に暮らしていた女医アデリアは、アリーの父ロウリー司教に呼び出される。迷路に囲まれた塔の中で、国王ヘンリー二世の愛妾ロザムンドが毒を盛られたのだ。最大の容疑者である王妃エレアノールは雲隠れしており、このままでは国全体を巻きこむ戦乱が起きてしまう。アデリアはその検死の技と推理で真相をつかみ、戦を阻止できるのか。出色の中世歴史ミステリ第二弾。訳者あとがき=吉澤康子
吉澤康子
(ヨシザワヤスコ )津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家。エリザベス・ウェイン『コードネーム・ヴェリティ』『ローズ・アンダーファイア』、ラーラ・プレスコット『あの本は読まれているか』など訳書多数。