先王の王女にして法廷弁護士、裁判官の資格をもつ美貌の修道女フィデルマが、もつれた事件の謎を痛快に解き明かす傑作短編集。巡礼としておとずれたローマの教会で聖餐杯のワインを飲んだ若者が急死、居合わせたフィデルマが急遽謎を解く「聖餐式の毒杯」、大王位の継承に必要な宝剣紛失事件に挑む「大王の剣」など、バラエティ豊かな5編を収録。世界中の読書家に愛される〈フィデルマ・ワールド〉の入門編。日本オリジナル短編集。解説=村上貴史
「聖餐式の毒杯」
「ホロフェルネスの幕舎(ばくしゃ)」
「旅籠の幽霊」
「大王の剣」
「大王廟の悲鳴」
ピーター・トレメイン
1943年英国生まれ。本名はピーター・ベレスフォード・エリス。ケルト関係の学術書を数多く著し、学会の会長や理事もつとめる著名なケルト学者でもある。また小説家としても精力的に活動しており、ピーター・トレメイン名義の代表作《修道女フィデルマ・シリーズ》をはじめ、ホラーやファンタジー、ピーター・マッカラン名義のスリラーなどを刊行している。