喩えようもなく美しい聖歌『ミゼレーレ』と、パリの教会で起きた聖歌隊指揮者の不可解な殺害事件とはいかなる関わりがあるのか? 凶器はいったい何なのか? 遺体の両耳の鼓膜は破られ、付近には子供の足跡が残っていた。定年退職した元警部と、薬物依存症で休職中の若い青少年保護課刑事がバディを組んでこの怪事件に挑む。『クリムゾン・リバー』の著者による圧巻のミステリ!
ジャン=クリストフ・グランジェ
1961年、パリ近郊生まれ。ソルボンヌ大学卒業(フローベール研究)後、ジャーナリストとして世界各地を飛び回る。「パリ・マッチ」、「フィガロ・マガジン」、「ナショナル ジオグラフィック」などに記事を書いていたが、94年に『コウノトリの道』で小説家デビュー。98年刊行の第二作『クリムゾン・リバー』は、ジャン・レノとヴァンサン・カッセルが二人の刑事役で映画化され、世界的に大ヒットした。他に『通過者』、『死者の国』など多数の著書がある。
平岡敦
(ヒラオカアツシ )1955年生まれ。早稲田大学文学部卒業。中央大学大学院修了。現在中央大学講師。主な訳書に、カダレ『誰がドルンチナを連れ戻したか』、グランジェ『クリムゾン・リバー』、ビュッシ『恐るべき太陽』、ジャプリゾ『シンデレラの罠』、カサック『殺人交叉点』他多数。