その夏、英国の小さな村では蛇が異常発生していた。獣医のクララはある老人の死に疑問を感じる。死因は蛇の毒だが、1匹に咬まれたにしては毒の濃度が高すぎるのだ。さらに近所の家で、世界で最も危険と言われる毒蛇を発見する。数々の事件は、何者かの策略なのか? 言い知れぬ恐怖と謎に挑む女性獣医の姿を圧巻の筆致で描きMWA賞受賞に輝いた、壮麗なゴシック・ミステリ。
S・J・ボルトン
英国生まれ。デビュー作の『三つの秘文字』がMWAのメアリー・ヒギンズ・クラーク賞にノミネートされ、好評を博す。二作目の『毒の目覚め』で同賞を受賞。さらに三作目の『緋の収穫祭』とあわせ三年連続ノミネートという快挙を果たした。『緋の収穫祭』はCWAの最優秀長篇賞(ゴールド・ダガー)など多数の賞の候補になり、新進気鋭の作家として高い評価を受けている。
法村里絵
(ノリムラリエ )1957年、東京都に生まれる。女子美術短期大学卒。主な訳書にウォー「失踪当時の服装は」「生まれながらの犠牲者」、ハワード「遭難信号」、スポッツウッド「幸運は死者に味方する」、ラーム「英国屋敷の二通の遺書」などがある。