平凡な人々の心に潜む狂気を白日の下にさらし、秘めた暗部を目の前に突きつける。『レベッカ』『鳥』で知られる名手、デュ・モーリアの幻の初期短編14編を収録した傑作集。
ダフネ・デュ・モーリア
1907年ロンドン生まれ。祖父が高名な作家で画家、父が舞台俳優兼演出家、母が舞台女優という芸術家一家の三人姉妹の次女として生まれる。1931年作家デビュー、1938年の『レベッカ』が世界的なベストセラーとなった。コーンウォールの荒々しい自然を愛し、夫との間に三人の子供をもうけた。1989年没。
務台夏子
(ムタイナツコ )英米文学翻訳家。訳書にオコンネル『クリスマスに少女は還る』『愛おしい骨』『氷の天使』、デュ・モーリア『鳥』、スワンソン『そしてミランダを殺す』『ケイトが恐れるすべて』、エスケンス『償いの雪が降る』などがある。